公衆衛生に携わる獣医師は、人々の生活と密接に関係した業務を行っています。
　食品衛生業務においては、飲食店や食品製造業等の事業者の衛生管理を厳しく審査するとともに、食品衛生に関する講習会の開催および食品事業者の自主衛生管理を推進する事業等を通じて、消費者に安全で豊かな食生活を送り届けるための役割を担っています。これに関係する業務として、安全な食鳥肉を提供するための食鳥検査業務、製造業者等から抜き取りした食品等の検査業務、食中毒または感染症発生に係る原因追究と感染拡大防止のための細菌およびウイルス検査業務などがあります。このほか、日々の生活に関する業務として、理容所、美容所、クリーニング所、旅館等の立入検査や廃棄物・公害に関する業務など、幅広い分野で活躍しています。
　動物に関する業務としては、人と動物の共通感染症の中でも非常に重大な感染症である狂犬病の発生予防のための業務があり、飼い犬の市町への登録および毎年１回の狂犬病予防注射の接種について啓発を行っています。また、人と動物が共に快適な生活を送ることを目的とした動物愛護管理業務があります。内容としては、動物の適正飼養と人への迷惑防止に係る相談指導、動物取扱業者および特定動物飼養者の取締り、動物愛護フェスティバルの開催、動物の終生飼養および譲渡の推進などがあり、これらの業務を通じて、動物の殺処分数および動物に関する苦情の減少に努めています。
　人々の生活と動物の命を守るという命題の下、公衆衛生獣医師として重大な責任を果たすべく、日々、業務に励んでいます。

≪県内の主な勤務先≫
○　県庁（医薬食品･衛生課 ・ 健康福祉センター（福井・坂井・奥越・丹南・二州・若狭）
　　　　　　 衛生環境研究センター ・ 動物愛護センター）
〇　福井市保健所
○　獣医師会（食鳥検査センター）
○　その他（製薬会社）